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・インドネシアより、MSC67/7/2を紹介し、概要次のとおり発言した。
今般の提案は、国連海洋法条約(以下「UNCLOS」という。)を忠実に履行しようという我々の努力のひとつである。長い間、国内で議論があったが、IMOがUNCLOS第53条9に規定する「権限のある国際機関」であると確信するに至り、提案を行うもの。これはUNCLOSに従った措置であり、UNCLOS未締約国が採択手続きを遅延させたりすることのないよう希望する。
IMOは、航行の安全の観点から提案を審議すべきである。従って、MSCが本件を扱うべきで、法律委員会等地の委員会で扱うべきではない。IMOの法律委員会にUNCLOSの解釈権限はないはずである。
他国から、従前より、提案される群島航路帯以外の群島水域における通航の権利について疑問が示されたので、かかる疑問に答えるべく、提案文書のパラグラフ10〜12を作成した。
群島航路帯を通航することは義務的なものではないが、群島航路帯を通航する際には、インドネシアの定める規則に従って通航してもらう。
群島航路帯を指定するためには、十分な水路調査が必要であり、いわゆる東西航路を含む追加的な航路指定がなされるとすれば、調査を終えた後となる。調査のためには時間が必要であり、また、資金も必要である。
今次提案については、97年末までにIMOにて採択されることを希望する。NAVに問題を委任するのであれば、NAVから直接97年11月の総会に上げることを、MSCがNAVに対して授権するよう希望する。また、総会ではなくMSCで採択する場合も、97年中に採択されるよう希望する。(注:インドネシア代表によれば、98年初に選挙が予定されており、その前に本件について決着をつけておきたい由)
・豪より、インドネシア提案の内容面については追ってコメントすると述べつつ、MSC67/7/3を紹介し、概要次の通り述べた。
航路帯設てつづきにおけるICAOやMEPCの役割については必ずしも重要ではないが、本件がIMOで扱われるのは初めてであり、また、単なる航路指定にとどまらず、UNCLOSの運用という側面も有する以上、手続き面をきちんと考える必要がある。手続きは然るべき国際法を反映し、利用国と群島国の権利と義務のバランスにも配慮したものであるべきである。
技術的な問題は、NAVで議論する必要があろうが、その前にMSC68(1997年5〜6月)にて広範な問題を議論できよう。その場合、MSC68−NAV43(1997年7月)−総会(97年11月)という手順となろう。
・米より、インドネシアが提案を行ったことを歓迎すると述べた上で、他方、インドネシア提案には以下の問題点があることを指摘した。
設定される航路帯には、束西航路、南北の支線(SPUR)、連結線(CONNECTINGLINE)が含まれるべきである。
提案に含まれていない「通常国際航行に使用される航路」での群島航路帯の行使につき、インドネシア官憲に十分理解させなければならない。
群島航路帯は領海を越えて指定してはならない。
すべての航路帯が指定されていない以上、本件についてはIMOが引き続き管轄権を有している。
提案に含まれていない群島航路帯の群島航路帯通航権を行使できる「通常国際航行に使用されている航路の場所を特定すべきである。

 

 

 

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